◆7月1日「氷室の日」とは?なぜ金沢では饅頭をたべるの?金沢市武蔵町の越山甘清堂 徳山康彦さんがお話しします。
◆氷室まんじゅうについて
■氷室 (氷室の日・7月1日)
氷室饅頭。越山甘清堂ネットショップでもお求めになれます。 江戸時代から受け継がれる初夏の行事。7月1日は加賀藩が氷室に貯蔵していた氷を、幕府に献上していた日で、この日に麦饅頭を食べると、夏場を無病息災で過ごせるという習わしがあります。金沢では、この日になると多くの店頭に氷室饅頭が並びます。
越山甘清堂では、白・赤・緑の三色の酒万頭を氷室饅頭として販売し、地元の人々に好評いただいています。
■なぜ「まんじゅう」
氷室まんじゅうは、五代藩主前田綱紀公のとき、享保年間に片町の生菓子屋、道願屋彦兵衛の創案。陰暦6月朔日、宮中の節会(せちえ)のときに、桐の二重長持ちに入れて倉谷山の雪を将軍家に献上したのにちなんでいます。
饅頭、というのは「よろずのかしら」だから縁起も良く、また、麦は雪に耐えて人に踏まれて、ビタミンもたくさんあって体にいいことからそれを氷室の日に食べたようです。
また、もともと農家の麦の収穫期である6月に、塩味の麦饅頭を娘の嫁ぎ先に持っていったのが一般にあって、それをヒントに金沢の菓子屋が氷室と同じ時期のものだから、と餡を入れて氷室まんじゅうとして商品化し売るようになったという説もあるようです。
饅頭は酒まんじゅうになりましたが、今でも家庭ではもちろん嫁入り先に持参して親戚・知人・近隣に分贈したり、会社・役所・商店などでは従業員に配ったりしています。一部ではまんじゅうにあんずや竹輪、米などを添える習慣のあるところもあります。
●参考図書
十月社「金沢の和菓子」
金沢生菓子専門店会「和菓子の栞」
◆リンク集
土用餅、氷室饅頭、昔ながらの手作りの味・・・金沢らしい地元の和菓子 越山甘清堂
氷室まんじゅうは、石川県に古くから伝わる饅頭で、毎年7月1日の初夏に食べられる縁起菓子です。こし餡の入った丸型の酒饅頭で、皮の色は白、赤(桃色)、緑の三色が基本です。この三色は、緑が新緑で健康や長寿、白が太陽で清浄、ピンクが花で魔除けを意味すると言われています。
氷室まんじゅうの由来は、江戸時代に加賀藩前田家が毎年7月1日(旧暦6月1日)に氷室の雪氷を幕府に献上していたことに関係しています。その際に、金沢の菓子屋の道願屋彦兵衛が考案した饅頭が神社に供えられたとされています。明治時代になっても、7月1日は氷室開きの日とされ、無病息災を願って饅頭を食べる習慣が残りました。
氷室まんじゅうは、金沢市内のほとんどの菓子屋で6月下旬から7月下旬まで販売されています。一部のお店ではお取り寄せも可能です。ただし、酒饅頭は乾きやすく、当日か翌日までに食べることがおすすめです。冷凍保存して電子レンジで温める方法もあります。