<商い益々繁盛店>ウィズ ペットと人が共に暮らす生活をサポート!(金沢市)

■ペットと人が共に暮らす生活をサポート!・・・ウィズ(金沢市/ペットショップ)
ストレスの多い現代社会において、動物に癒しを求める人が増えてきている。そんなニーズに応える数あるペットショップの中で、開業からわずか7年で3店舗を構えるまでに急成長している人気店がwith(ウィズ)である。昨年8月、金沢市示野にオープンしたイオン金沢示野ショッピングセンター内イースト棟にあるwith金沢示野店を訪ね、自らも3匹の犬を飼う室井正樹店長にwithの人気の秘密を伺った。

■●創業7年で3店舗を展開
室井正樹店長動物の生体販売、ペットフード・用品の販売、トリミングやカット、一時預かりなどを総合的にサポートするペットショップとして、平成12年に、石川県庁そばの西都において産声を上げたのがwithである。ペットと共に暮らす生活をサポートする、そんな思いが店名のwithに込められている。3年後には野々市南店を出店と、積極的に店舗展開を進め、昨年8月には、イオン示野ショッピングセンター開業に合わせて金沢示野店を開設、現在は3店舗を数える。ペットショップとしては後発組のwithが、短期間でここまで成長してきた秘密はどこにあるのか。その点について室井店長は、「後発組のメリットは、既存店舗のノウハウの良い点を採り入れると同時に、首都圏でブームになっているサービスや売れ筋情報をいち早くキャッチし、地方都市の中では常に先を走ることを心掛けてきました。店舗の規模はそんなに大きくないですが、従来のペットショップになかった雰囲気の内装や、店内に入るとマスコット犬が寄ってきて触れ合えるといった新しい試みがお客様に受け入れられたのではないか」と分析する。繁殖用に飼っている犬たちをずっとケージに入れたままにしておくとストレスが溜まることから、人になついたおとなしい犬をフロアに出し、のびのびさせようとの思いから始めたもの。「それでも西都の店舗がオープンした当初は、本当に来店客が少なく、夜アルバイトしないと食べていけないかなぁと真剣に考えたほど厳しかった」と振り返る。とにかく日々、満足していただける接客サービス、喜んでいただける情報発信、ワンちゃんのしつけ、こだわったペットフードの品揃え等々の努力を地道に続けたことが奏功し、文字通り口コミで、徐々に来店客数が伸びていった。
■●示野出店は次代への布石
野々市南店を出店したことで、それまで西都の店舗に集中していた顧客が分散し、売上が頭打ちになったことから、6年目を迎えリニューアルを検討していたところへイオンから出店要請があった。withが出店しなければ、競合他店や県外資本のペットショップが進出してくることになる。それはwithにとっては近隣だけに脅威である。「既存店を改装すれば家賃はかからないものの、それでどこまでお客様を呼ぶことができるか、県庁周辺の出店ラッシュ、バイパスが立体交差になったことで、withの店が分かりにくくなったこと等を総合的に勘案し、思い切ってイオンに出店することを決断しました」と先を見据えての出店であったことを披瀝。この出店を機に、西都の店舗はドッグケアサロンに模様替えし、トリミングや一時預かり、ホテルに絞った業態に変更している。
■好きこそものの上手なれ
店内の様子動物の専門学校から定期的に学生がwithに実習に来るため、そうした学生の中から新卒を採用している。「時には就職希望者が多すぎて断る時もあるのが心苦しい」と人気ショップゆえの悩みも。「対面販売をする際のスタッフとお客様の関係が非常に良好で、好評を得ています。特別これと言った社員教育をしているわけではなく、好きこそものの上手なれではないですが、動物が大好きなスタッフの集まりなので、自然とアットホームな雰囲気が生まれているのだと思います」と謙遜するものの、自らが顧客の立場になった時にどんな接客を受けたら嬉しいか、そのことをスタッフ全員が常に念頭に置いて接客に臨んでいる姿勢がうかがえる。

■マナーUP委員会をホームページで発信
金沢示野店内にあるドッグカフェワンちゃんを散歩させる時、糞の後始末マナーが悪い飼い主が近年増えているように思えてならない。これは公衆道徳の問題であって、本来ペットを販売する店には責任のないことではあるが、withでは犬猫の販売にあたって、飼い主へのマナー教育にも力を入れている。ホームページでもマナーUP委員会と銘打ち、注意事項を情報発信している。と同時に、小さい時はかわいらしさで飼ってはみたものの、大きくなったら飼えないからと捨てられ、野犬や野良猫になってしまうかわいそうな動物たちがいるのも事実である。こうした問題も含め、「動物を販売する以上は、最後まで責任を持てる飼い主を一人でも多く育てていきたい」と日々取り組んでいる。

ポイント還元やしつけ教室を開催し顧客満足度UPに邁進
現金での買い上げ20円ごとに1ポイントを付与し、500ポイント貯まると500円の割引券として使えるカードを発行している。また、犬のしつけに関する第一人者でもある(社)ジャパンケンネルクラブ公認訓練士の鳴海治氏を講師に迎えて、年3回しつけ教室を開催している。「これは毎年大好評で、募集を開始すると即日定員に達する人気です」と顔を綻ばす。さらにポイントカードから履歴をピックアップし、得意客に対して年3回のセールを告知するDMを発送している。

■さらなる事業展開に向けて
ウィズ店内の様子時代の変化、生活様式の多様化により、犬や猫の内臓にいる細菌の種類も変化した事で、栄養のバランスが悪くなり、アレルギーやストレスに苛まれるペットが急増している。そのため、近年では人並みのエステや食事、サプリメントまでありとあらゆるものが提供されている。withオリジナルのちょーグルト(腸に優しいヨーグルト)やペット用バースデーケーキ、手作りのペットフードも人気商品だ。「今年は団塊の世代が大量に退職する年とあって、夫婦の潤滑油としてペットを飼われる方も増えると思われ、その意味では一つのビジネスチャンスと捉えています。ペットフードに関しては、既存の加工されたものではなく、犬や猫にとってからだに良い手作りのフードも出始めている時代だけに、これからはそうしたフードも採り入れていきたいと思っています。お客様同志が集い、いろんな情報交換をされている中に我々スタッフも混ぜていただき、様々なニーズを拾い上げると同時に、スムーズに対応することで顧客満足度を高めていきたい。商いをするからには、ただ物を売るだけの店ではなく、withの心を十分に理解したスタッフの育成に努め、ペットと人の暮らしをサポートする地域一番店を目指し邁進していきたい」と静かな口調の中にも動物たちへの深い愛情を感じさせられた。
■インタビューを終えて
withの店内に入ると、しっぽを振って人なつっこいワンちゃんたちが出迎えてくれる。その瞬間に「ほっ」と癒されると同時に思わず誰もがニッコリしている。この歓迎が財布の紐を緩めさせてしまうのかもしれない。

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