AKINDO44 話題の商業施設:アルネ津山

百貨店と34の専門店、音楽文化ホール、津山市立図書館、
津山男女共同参画センター、文化展示ホールの多機能複合型ビル。
津山市中心市街地活性化基本計画に基づき、平成11年4月にオープンした
岡山県北部の広域地域における拠点都市・津山市。
中国縦貫道の開通や周辺幹線道路網の整備で津山の中心性が弱まりつつあった。その危機感から、中心市街地に車社会に対応した質の高い都市機能の集積とまちなか居住を一体的に整備を計画。この十数年をかけた大型プロジェクトが昨年春完成した。
そこで今回はプロジェクトの中核をなす
複合型大型施設「アルネ・津山」をご紹介します。 「アルネ津山」の様子。
■津山市の街づくり■
津山市は人口約9万人、中国地方内陸部最大の都市として、平成5年に地方拠点都市法の拠点都市に指定され、県北広域地域における都市機能の整備充実が期待されている。また、2004年には津山城築城400年を迎え、それにむけて城下町の保存と都市機能充実、車社会への対応とバランスをとった街づくりを進めている。
■中心市街地の衰退■
車社会に適応しにくく公共交通にも限界がある都市構造、長い歴史のなかで土地利用の細分化による権利関係複雑化と城下町特有の問題点が津山市でも中心市街地衰退に拍車をかけた。
そこで、その中心部の「500mコア地区」と呼ばれる地区に車利用に対応できる、強い吸引力をもつ核施設を計画し、そこを拠点に回遊性を高めようとしたのが「アルネ・津山」プロジェクトである。 津山の開発ゾーニング。
■3つの再開発■
この再開発の特徴は、3つの街区でそれぞれ機能分担した3つの計画を段階的に進めた点である。
昭和63年、最初に着工した南新座地区と隣接する吹屋町地区は都市型高齢者交流施設や温水プールを備えた都市型居住環境整備を中心とした開発である。
そして、3つめの中央街区が今回ご紹介している「アルネ・津山」であり、都市型百貨店をを核にした商業ゾーンと文化施設を核とした広域交流拠点ゾーンで構成され、3つの街区はペデストリアンデッキで回遊性が確保されている。
「アルネ津山」見取り図
■商業と文化の複合施設■
アルネ・津山」の商業の核は地元百貨店・天満屋が入居し、隣接して34の個性的な専門店を配置、一体感ある商業ゾーンを形成している。
文化ゾーンでは、600席を誇る本格的音楽文化ホール「ベルフォーレ津山」、CDやビデオが鑑賞できる視聴覚コーナーを持つ「津山市立図書館」、市民の発表の場として利用できる「津山文化展示ホール」と男女参画社会の実現にむけた交流拠点「さん・さん」(津山男女共同参画センター)がある。
駐車場は自走式で、建物5階部分から5層で約750台が確保されている。
■今後の課題■
「アルネ・津山」は第3セクターの津山街づくり会社によって運営管理される。今後はこの核施設を中心として、周辺商店街との連携やソフト事業による地域賑わいづくりをはじめ、居住人口増加策、空き店舗対策など地域と一体となった新しい拠点づくりが期待される。

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