◆先週に引き続き、石川県野々市町の稲作農家、林さんちこと林農産の林浩陽さんが、当社における大豆栽培の意味や自給率について語ります。
◆大豆のお話(2)
○ なぜ、林さんちで大豆(自給率編)
なぜ、国が奨励してまで国産大豆を作るかと言うと、自給率の問題です。
日本人の食卓には、大豆は欠かせられない穀物です。え~大豆なんて、滅多に食べないよと言われるのは、素人です。豆腐、あぶらげ、しょうゆ、味噌、ソース、油は、大豆が原料に使われています。
その問題の自給率は、なんと4%です。多くが、アメリカから輸入されています。ところが、食卓で直接食べるものは、18%に上がります。 これは、何を意味するか。昔は、豆は、田んぼのあぜに植えられていました。それで十分だったのです。
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お肉の話 = 8:6:4 × 中国の人達―2食→3食 =12倍
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この方程式分かります。実は、牛肉1キロ作るのに飼料が8キロ、豚肉1キロは、飼料が6キロ、鶏肉は4キロ必要です。
だから、牛肉が美味しい訳は、ここにあるわけです。食物を8倍も使って作るわけですからね。そして、最近中国が発展してきていますが、と同時にこれまでの菜食から肉食に移行して来ています。しかも、今までの2食から3食になっています。すると、畑が12倍必要になると言う事なんです。そうなると、中国は自国の食糧で手一杯になるはず。
いつまでも、輸入野菜に、頼っていて良いのでしょうか?
○1200万ヘクタールのうち500万ヘクタールとは? コンビニの60%?
もう一つオマケ。
1年間で、日本人が食す畑や田んぼの面積は、1200万ヘクタール。
うち自国の面積は500万ヘクタールしかないんです。
さらに、うち500万ヘクタール分は、ゴミへ。
しかも、そのゴミのうち60%がコンビニから出ると言う話です。
どう思います、これ。
つまり、自給率を下げる原因は、肉食、外食、コンビニ中心の食事にあるのです。
さて、なぜでしょう。正解は、「油」です。輸入大豆の多くが、この肉食、外食、コンビニの調理の油で使用されています。だから、直接食べる大豆だと自給率は上がるのです。そして、その油で作った調理の多くが捨てられれば、どれだけがんばっても、自給率は上がるわけありません。
多くの国産作物の自給率を語る時、この肉食とゴミの分を考えないと、正確な数字とは言えません。
林さんちでは、身土不二=住んでいるところ16キロ四方の物を食べていれば幸せになれる(中国のことわざ)を提唱していますが、皆さんも、生活を少し見直して見ればと思います。
○遺伝子組替大豆って、何?
アメリカの大きな農薬会社が、ラウンドアップと言う除草剤だけには、枯れない遺伝子を組み込んだものです。最近は、騒がれたので、代って高度なバイオテクノロジーで、除草剤に強い品種を育成して栽培しています。とことんですね。でも、ビールに使う麦も、トウモロコシも、ジャガイモも、色んな遺伝子組替で、作られています。良く表示を見て買わなきゃね。ちなみに、エビスビールだけは、遺伝子組替麦使ってないので高いの知ってた。
○日本でも、、、
アメリカを、ボロクソに言っていますが、実は、日本でも志低き人はいるもので、大豆が枯れない程度に、豆が出来てから除草剤を薄く散布するのです。これには、訳があって、大豆と一緒に雑草を刈ると、その青い汁が豆に付いて、等級が落ちるからです。電車の窓から、ふと刈取り前の大豆畑を見て、愕然としました。枯れ色が、自然でないのです。皆さんも、10月ごろ豆畑を見られたらどうでしょうか?分かるかな。
○最後に
◆リンク集
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