★<週刊ウンチク>バックナンバー★ | ||||
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壁画『加賀とびの図』 第二代由水十久氏から、 加賀屋(渚亭)さんに納める壁画を織物で作りたい。ついてはその打ち合わせに行きたいのでとの連絡を頂いたのは1月の事でした。 由水さんの作品では以前にも1.85mx2.2mの大きさのものを織り上げていましたので、簡単な気持ちで「はいどうぞどうぞ」と返事しました。 幾日かして、寒風の中を質感のあるずしりとしたコートとマフラーを身に付けたご本人が黒の大きなデザインバックを手にして来社されました。同行された奥様も濃い色目のシックな装いで、お二人からは感性の豊かさが溢れているように感じました。 デザインバックから取り出されたデザインは氏独特の童子画で、気品の高いものでした。 話が進むうちに今までよりかなり大型で1900mmx7600mmの大きさになることがわかりました。使う糸も特殊な糸で、織りにくい糸選びをされるので、さて困ったものだとの思いがその度に巡りましたが、選ばれる糸が「おっ」と思うようなものだったので、作品が作られる過程のその瞬間に立ち会えた感激で、これからの作る辛さを忘れてしまったものでした。 ![]() 上写真:金の糸に、赤いふしが見えます。織られるとますます複雑な色合いに。 ふしがあるものや、太さに差がある糸はどこかに(糸を巻く事からそれは始まる。巻いた糸を解除する時に糸同士の接触が起きる。織機の糸が運ばれる経路やたて糸の開口した間に引き込むときの掴む部品への接触でも起きる。たて糸の間を通過中のたて糸との接触からも起きる。等々)接触する度に抵抗が起きるのです。 ふしのあるような糸は特にゆるんだり、引けたりして織物の欠点になりやすいのです。 大きな作品になると生産時間が長く、不良品が発生する機会がとても多いので、接触ムラの起きないような調整準備に時間がかかるのです。また製織中も気を張り詰めていないと不良が出来やすいので緊張感で一杯になります。 糸を作るのに4週間ほどかかりました。その間に織物組織の設計を進め、部分的に試作を繰り返しましたがましたが、なかなか上手く織れません。予想以上に手ごわい糸でした。ふしのある糸が1種類だけであれば何とかなったのですが、3種類もあったのです。 わが社の作り手のA君も社運を賭けた思いであったことでしょう。織り上げたときの表情に全てが汲み取れました。 ああでもないこうでもないとやっていましたが、2004年 4月中旬に渚亭の3階に設置されました。お立ち寄りの節にはどうぞご覧ください。 渚亭は他にも各ジャンルの有名作家のコレクションが多く、まるで美術館のようです。 <ミニリンク集> ●二代 由水十久氏について・・・加賀友禅のページより ●自由な夢をカタチに・・・チケットの英文字から壁画まで 出口織ネーム ●出口織ネームオリジナル創作織物・・・ゆめ工房「織仁」 |
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