「週刊ウンチク」タイトル
★<週刊ウンチク>バックナンバー★
第104回(2003.2.27)
「潜入! TVショッピングの舞台裏」
提供:ホクチン 紺矢誠さん
 
ホクチン株式会社の紺矢誠さん。 夜中、何となく寝付けなくてTVをつけると、やたらテンションの高い外人男女が筋トレ中、「ほーら、簡単だろ!」とニカっと笑うマッチョマン「ホント、簡単だわ!」と受ける女性司会。スタジオに集まったギャラリーから驚嘆の声・・・。
エンドレスで同じシーンを繰り返しているだけなのに、ついつい画面に引き込まれてしまい、気がついたら注文電話をしてしまった! という経験はありませんか?

今日の「週刊ウンチク」は2,000億円市場と言われるTV通販番組の舞台裏を取り上げてみました。
 

潜入! TVショッピングの舞台裏


 潜入したのは、CS、ケーブルTV、ブロードバンドで24時間通販番組だけを制作、放送している某局。関東某所に本社、2箇所のスタジオを構え、食品、衣料品、住居関連用品などを幅広く扱っています。
2箇所のスタジオのうちひとつは食品用ということで、たくさんの調理用具、うつわ類、そして巨大冷蔵庫に豊富な食材が詰まった、さながら「キッチンコロシアム」。



人気商品「お買い得割れむき栗」
そのままパクッ!
割れむき栗
¥300(税別)
今回は当社の人気商品「お買得割れむき栗を取り上げていただく事になったのでした。その名の通り、甘くて美味しい天津甘栗の皮をむいた商品です。皮むきの過程でどうしても出てしまう「われ栗」を使う事で、極上の原料の味はそのままに「超お買得価格」でご提供、というのがウリです。



実はほとんどの番組が「生放送」! というのも行って初めて知った驚愕の事実でした。
事前の打合せはほとんど無し。当社からは製造工程を撮影したVTRと商品カルテ(商品の製法や仕様を書いた紙)をあらかじめ提出しただけなので、大丈夫かいなと不安が募ります。


スタジオには「ショッピングナビゲーター」と呼ばれる司会進行役の方、「ゲスト」としてメーカーを代表し商品を紹介する役の私。画面に映らない裏方さんとして、その場で手際良く料理を作ってくださるフードコーディネーターの方が2人、アシスタントディレクターの方が1人。
チーフディレクターは調整室に構えており、照明や3台のTVカメラはすべて調整室からリモコンで動かす、という
ハイテク省人化ぶりでした。



へえーっと現場の雰囲気に戸惑っている間に生放送スタート! 「ナビゲーター」はしゃべりのプロ。
番組の司会をしながら「私は視聴者代表」というスタンスでこちらにいろいろ商品のことを聞いてきます。もちろん事前にこちらから提出している商品データは全て頭の中に入っており「この栗、中国で作られてるんですよね」、とこちらが話しやすいよう、うまく話題を振るのでした。

それに対しこちらも(あらかじめ用意した地図などをカメラに向けながら)
「広い中国の中でも『燕山山脈』ふもとで取れた極上品だけを使ってるんですよ」と、いかにこの商品がすばらしいかをアピールします。


実はそんな話の中身はおまけ程度。
TVで食品を買ってもらうには見ている方に
「ああ、美味しそうだな、食べたいな」と思わせねばなりません。



そこでどうするかというと、とにかく食べる食べる!


話もそこそこに、商品を袋から出して山盛りにし、司会も私も栗をほお張りながら
「いやあ、美味いっす」と顔をほころばせます。
フードコーディネーターの方が横で作ってくれるアレンジ料理(今回は栗ご飯、栗入りホットケーキを作っていただきました)もTVの前でパクパク!

司会の方は慣れているので、よく食べているように見えても口の中に入れるのはほんのの小さなかけら、しゃべりに影響が出ないよう気を使っています。ところがこっちはいつもの調子で思いっきり栗をほおばるものだから、質問されても口をモゴモゴさせるだけでしゃべれない、なんて失態も多々ありました。

生放送の強みを生かし、突然スタジオにお客様からの電話をつないだりもして「ライヴ感」を盛り上げます。「いやあ、TVで美味しそうに食べるもんだからお腹が空いちゃって!」などというありがたいコメントもいただきながら、番組は無事終了。



コールセンターに入る注文の電話はリアルタイムで数値化され、スタジオに届けられます。
しかも、「炊き立ての栗ご飯を口に入れた瞬間が電話のピーク」など、秒単位でオーダーの推移がモニターされているのです。
目標○千個に対し、終了直後で○千個、イイネエ、とディレクター様からも声を掛けていただき、ホッと一安心。と思っていたら「感触いいから、も一回いこうか」

放送スケジュールをフレキシブルに変更してしまうのも同局の特徴のようです。


結局この日は朝8時から夜23時まで、数時間おきに都合8回の生放送。さすがにスタッフは前後半で交代しましたが私はずっと出ずっぱり。もう栗も何kgくらい食べたのか思い出せない、もうヘロヘロ、といった状態でした・・・。



今回の出演で非常に感銘を受けたのはスタッフ全員が「この商品は良い!」と熱意を持って番組を作っている事。

通販番組を見ていると、「ただのお仕事」として商品を紹介、口だけで褒めているものもあるように思いますが、この局では、番組に関わる方全員が(少なくともスタジオにいる間は)「これって、本当に美味いよね」「よそのが食べられないよ」などとこちらが照れてしまうくらい口々に褒めそやし、多くの人が「僕も2セット注文しちゃったよ」と自分のお金で買ってさえいるのです。


そう、彼らは「自分が良いと思ったものに惚れ込み、お客様に買っていただく」という商売の基本中の基本をしっかり守る「プロ集団」でした。


我々もネットショップという「通販」に関わる身。
「自分の会社の商品だから、売ってるんだ」という気持ちにはなっていないか。
「良いモノをお客様にお届けするんだ」という気持ちを忘れてはいないか。
そんな事を考えさせられた「TVショッピング」の一日でした。

END
  
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