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「白さぎ湯」と呼ばれる山中温泉。その由来は? 週刊ウンチク おはなしばたけ
第44回(2001.12.27)
「加賀むかしばなし『白さぎ湯』」
提供:ホリカワ 花野美貴雄さん


ホリカワさんの郷土絵本からの、昔話。
第3弾は加賀山中温泉「白さぎ湯」の名の由来です。
「白さぎ湯」
今から八百年ほど昔のことでな。国を二分した源氏と平氏との争いは源氏の勝利に終わったあと、山中あたりは能登の地頭、長谷部信連が治めることになったと。

ある日のこと、信連は家来を大勢引き連れて、狩りを楽しんでおった。幸い獲物は上々で、上機嫌の信連と家来達が帰ろうと大聖寺川の川原まで来たときじゃった。あたり一面に生い茂ったアシの間に白い鳥が一羽いるのが目に入ったと。

「だれぞ、あの鳥をつかまえてまいれ」

信連の命令を受けて家来の一人がアシをかきわけて近づいてみると、それは白さぎでな、片足を川につけたまま逃げようともせなんだ。報告を受けた信連は馬から下り、川へ手をつけてみて納得した。想像したとおり、温かかったからじゃ。
アシの中にいたのは、怪我をした白さぎだった。
「これが世にいう湯治であろう。あの白さぎもけがをして、ああやって治しておるにちがいない。きっとここの湯は病や傷に効くのじゃろう」

信連はすぐさま家来にアシを刈り取らせ、領民がいつでも入れるようにと湯舟をこしらえた。そのときじゃった。「お屋形様」と家来が上流から流れてきた小さな仏像を信連に渡したと。見ると、みごとな出来栄えの薬師如来像じゃった。

この薬師如来像は、さらに五百年ほど前、行基常任が、菅生石辺神社のお告げでこのアシの間に湧き出るお湯を発見されたおり、病気によく効くようにと彫られたものじゃった。そして、国分山医王寺というお堂を建て、おまつりされたのじゃが、源氏と平氏の争いで朽ちはて、あとかたもなくなってしもうたのじゃ。

きっと名のある仏様にちがいない−−そう直感した信連は、山の中腹にお堂を建て、ていちょうにおまつりしたと。これが今の薬師山にある国分山医王寺、別名"お薬師さん"でな、病気に霊験あらたかじゃいうて、おまいりの人の列がたえないそうじゃ。

また、山中温泉は白さぎのおかげで再発見されたことから、"白さぎ湯"ともいわれ、ことに女性はここにつかると白さぎのように色が白うなるという話じゃと。


<ホリカワの絵本「加賀金沢の昔ばなし」より>

 
●長谷部信連・・・信連をまつる「長谷部神社」のある穴水町では、信連を偲んで
年に1回「長谷部まつり」を開催。手作り御輿が先導し、武者行列が練り歩きます。

国分山医王寺・・・ 京都の蛸薬師、出雲の一畑薬師と並ぶ日本三薬師のひとつ。

●山中町にはしらさぎの名の温泉や、「白鷺大橋」という名の橋があります。
・「しらさぎ大橋」から見降ろす「黒谷橋」と鶴仙渓は美麗との噂。
「漆と湯の町 山中」・・・「石川新情報書府」より。
石川県指定文化財「無限庵」ホームページ。・・・家老横山家が金沢市にあった邸内に建てた書院で、金沢より移築したもの。
 
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