当社では「加賀・金沢の昔ばなし」という本を発行販売しています。
金沢に古くから伝わる昔話を集めたものです。ウンチクとはチョット違うかなと思いつつ、これが結構面白い!この中から面白そうな話を紹介します。
今回は金沢の昔ばなし『天狗の魔除け』をお送りします・・・ |
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金沢市の蛤坂(はまぐりざか)に妙慶寺(みょうけいじ)というお寺があるがのう、あそこの寺には、なんでも天狗からもろうたちゅう魔除けの木の額があるという話じゃ。
今から三百年あまりも昔のこと、妙慶寺の五代目住職で、向誉上人(こうよしょうにん)とおっしゃる大変慈悲深いお坊様がおられた。子供が好きで、寺の境内はいつも近所の遊び場所になっておったが、ある日のこと、何やら子供たちの騒がしい声がするんで、向誉上人が見にいくと、子供たちがトビをつかまえていじめておった。
「コレコレ、生き物をいじめてはいかん。かわいそうだから放してやりなされ」
向誉上人はそういうと、子供たちからトビを受とり、森の中へ逃がしておやりになったのじゃ。その晩、上人が休んでいる枕元に、見知らぬ老人がスーツと姿を現わし、「わしは昼間助けてもらったトビじゃが、何を隠そう、本当は飛騨の山奥に住む天狗でな。危うく命を落とすところを助けてもろうて、ぜひお礼をしたいんじゃが…」
というたんじゃそうな。むろん上人は断りなさったが、天狗はぜひともばかり、 「なら、この寺に災難が降りかからんように、魔除けをしてしんぜよう」 |
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というや、板に太いツメで表に「大」、裏に「小」という字を彫り、上人に渡したあと、大の月には表、小の月には裏をかけておくようにいうて、姿を消してしもうた。
それ以来、妙慶寺では大の月には「大」、小の月には「小」のほうを表にして庫裡(くり)に揚げておるが、天狗のいうとうり、いままで一度も災難におうたことがないそうじゃと。
(用語解説)
・蛤坂(はまぐりざか)・・・犀川大橋から寺町に向かう坂。享保18年(1733)の火災で
ハマグリが口を開いたようになったため、この名がついたという。
※参照 金沢まち博HP 周辺のみどころ・観光スポット。
・大の月・小の月・・・1ヶ月が31日まである月が「大の月」、残りの月が「小の月」。
※参照:海上保安庁水路部HP「暦のあれこれ」 暦について詳しく知りたい方必見!
・庫裡(くり)・・・本来は寺の台所を指すが、転じて住職・家族の居間のことを呼ぶ。
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・・・どうですか?面白いでしょ?
こんな金沢にまつわる古い話がいっぱい掲載されています。
本の中にはもちろん綺麗な挿絵があって雰囲気あるんです。
「加賀・金沢の昔ばなし」 定価600円
発行:株式会社 堀川商店
画:福居 顕則 話:広田 正行
※お求めはお近くの書店、またはホリカワまでお問い合わせ下さい。
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