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「週刊ウンチク」

第28回(01.9.6)
「何に使うんですか?」
提供:オモチャのとらや 伊藤能典さん

 
春になると、穴水の荒物屋さんから、ヘアブラシの注文が来ます。
スケルトンブラシ(ガイコツブラシ)と言う、すき間の多いヘアブラシです。
田舎の雑貨屋さん、そんなにお洒落な人も住んでない所です。

私 「こんちは、ヘアブラシ持って来ました。
  こんなに沢山、何に使うんですか? おばあちゃんお洒落するの?」
お店 「なに言うとるがいね、漁師さんが買うてゆくがんや。」
私 「はぁ?」
お店 「これで、モズク取るがんや、さおの先にこのブラシを縛って取ると
モズクいっぱい取れるげんて。」

私 「へ〜理屈なもんやね。」
 
夏になると、お魚屋さんから、風せんの注文が来ます。
薬屋さんからは、よく、風せんの注文をいただきますが、魚屋さんは?

私 「こんちは、風せん持って来ました。 おまけの景品にでもあげるんですか?
    でも魚屋さんには、子供はあんまりこないでしょう。」
魚屋 「これに、水入れて凍らせるがんや。」
私 「はぁ?」
魚屋 「にいちゃん、和倉温泉行った事無いか、
刺身に氷のかまくらのっとるの、見たこと無いか?
稼いで、和倉温泉に泊まらなだめやぞ。」

私 「へえ〜 自分家でためしてみるわ、黒鯛の刺身ちょうだい。」
 
秋になると、消防署から、赤丸ちょうちんの注文が来ます。
盆踊りも終わって、秋祭りでもするんかな、消防署も暇やな。

私 「こんちは、ちょうちん持って来ました。
何かイベントでもするんですか?」
消防士 「訓練や、訓練。秋の防火訓練に使うんや。」
私 「訓練するのに、景気づけで、ちょうちん飾るんですか?」
消防士 「あほ、そんなことするわけないやろ。 消火のまと 的 や
      これめがけて、水ぶっかけるんや。」

私 「火の用心、火の用心」
  
冬も終わり、春も近くなると、お店におばあちゃんがやって来て・・・

おばあちゃん 「子供のソリあるかいね? もうどこにも売っとらんげんて」
私 「孫にあげるがん? もう雪も無いし、ソリで遊ばれんよ。」
おばあちゃん 「なんもや、わてが使うげん。 田んぼ仕事で使おうと思て。」
私 「おばあちゃん、あんまり体無理せんとかな。
   米粒には、お百姓さんの魂が入るとる、 その通りやね。」

冬の間に荒れた田んぼを、苗植えに備えてならす作業に、使うそうです。
子どものそりに乗り、黙々と作業に精を出すおばあちゃんの姿が目に浮かびます。

 
私のところは、おもちゃを売っています。
子供たちは、大人が思いもつかない遊びを考えます。
子供たちの、想像力とビックリするような発想が、未来を作ってゆくのでしょう。
(おもちゃでばっかり、遊んどらんと、外でも遊ばなだめやぞ)
以上、リアルショップ「オモチャのとらや」ノンフィクションドラマでした。

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