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「建物や施設などの被害はほとんどなかったものの、地震直後から3カ月余り、団体客のキャンセルが相次ぎ、フリーのお客さんの来店もほとんどない状況が続き、大幅な売上減となり、かなりしんどかった。」と振り返る。
自社が経営する能登観光ホテルに関しても同様の状況ではあったが、営業努力を重ねて地元客の需要を掘り起こし、減収幅の拡大を何とか食い止めることができたようだ。
「地震が発生し、来客ゼロの日が続いた苦しい日々の中で、日頃はあまり考えなかったことや怠慢になっていた部分を見つめ直すいい機会を与えてもらった」と述懐する。
能登観光ホテル、庄屋の館共に、売りは目の前に広がる日本海の絶景と新鮮な海の幸を食材に使った荒磯料理である。なかでも、海藻しゃぶしゃぶは、目の前に広がる日本海で採れる新鮮な海藻を使い、父親である社長が考案したメニューである。
丈太郎さんはそうしたメニューに加えて、海藻を使ったフルコースや旬の食材を使った月替わり創作料理など、新たなメニューづくりに積極的に取り組み好評を得ている。
近くにある真浦漁港では、朝と昼の二回水揚げされることから、自ら出向いて仕入れてくる。さらに、地元珠洲の天然塩を使ったオリジナルアイスクリームも女性に人気だ。
能登半島に元気を取り戻す復興策の一環として県が推進している能登丼キャンペーンに協賛し、同店では目の前の日本海で獲れる新鮮な蛸を使った『オリジナル蛸カツ丼』(980円)を提供している。こちらも人気メニューとしてコンスタントに売れている。
通常メニューの中でも人気が高いのは海藻しゃぶしゃぶ定食、いしり鍋定食で、11月から3月の間は蟹フルコースも楽しめる。八世乃洞門が開通したとはいえ、夜8時から朝5時までの間は通行止めとなるため、夜間の宴会利用客にも影響が出ており、地震前の状況に戻るにはまだしばらく時間がかかりそうだ。
庄屋の館に隣接する能登観光ホテルは、平成15年に新館を建設。客室にはあすなろや桐、杉など自然木を豊富に用い、優雅な造りになっている。窓からは能登の海が一望でき、潮騒が聞こえる。水平線に沈む夕陽を眺めながらゆったりと入れるお風呂が好評だ。24時間入浴OKのお風呂は、奥能登に自生する薬草「わたふじ」の湯が堪能でき、湯上がり後もからだがぽかぽかと暖かく、能登版アロマテラピーとして人気上昇中だ。
10年あまり前から、ペットを連れて旅行したいとのニーズに応えるべく、トイレマナーがしつけられた室内犬であれば、同じ部屋に泊まれるサービスをスタートしたところ、ペットが家族の一員という顧客に口コミで広がり、宿泊客の8割はペット連れとのこと。ペットと飼い主が一緒に入れる専用の浴室やペットと泊まれる離れの部屋を完備していることから、金沢はもとより関西・中京・関東方面からも多くの宿泊客が訪れている。
料理については、「地元ならではの食材を用いて特徴ある料理を提供していきたい。」と考えている。
「先代が確立してきた基本は守りながら、時代の変化に合わせて自分なりの新たな魅力づくりができれば・・・」と意欲的だ。
能登観光ホテルは、新館以外の施設が老朽化してきていることもあって、「お客様に満足していただける旅館には程遠いと痛感しています。社長は新たな夢を持ち、自身が想う旅館を考えていますが、私としては規模を追うのではなく、自分の目の届く範囲内のこじんまりとした規模で、高品質なサービスを提供できる旅館づくりを目指したいと思っており、そのあたりをこれから話し合っていきたい。」と三代目の主張もしっかりと。
近隣の宿泊・飲食業に関わる人たちが定期的に集まり、地域食材を活用した料理の勉強会なども開催しており、店だけでなく一般家庭にも普及させていけるようなメニューづくりにも取り組んでいる。
行政が地域資源活用に力を入れているタイムリーな時期でもあり、地元食材の活用や新メニュー開発、地域食材を活用した土産物づくりなど、様々な可能性が見込まれる。
「お客様に満足していただける宿づくりが目標です。」と熱く語る丈太郎さんの益々の研鑽に期待したい。
■インタビューを終えて・・・
震災後の厳しい時期を家族・従業員が力を合わせて乗り切り、ようやく長かったトンネルの出口が目の前に見え始めてきているようだ。
家族中心のアットホームな接客、新鮮な食材を使った荒磯料理、眼前に広がる日本海の絶景、この3要素の魅力をより一層磨き、繁盛につなげてもらいたい。
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商 号 | 庄屋の館 |
| 所在地 | 珠洲市真浦町 | |
| 創 業 | 昭和52年9月 | |
| 電話番号 | (0768)32−0372 | |
| 営業時間 | 11:00〜21:00 | |
| 定休日 | 年末年始、月1回不定休 | |
| URL | http://www.notokankohotel.co.jp/yakata.htm |
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