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久世酒造店の酒は、創業した天明6年(1786年)以来、自社の田圃にて独自の酒米「長生米」を育て、代々品種改良を重ね、心白(酒米の芯)が大きく酒造りに適した酒米を原料に、仕込み水は自社の地下水と霊水「清水(しょうず)」の湧き水を使い分け、昔ながらの手造りで代々受け継がれてきている。
かつて津幡の造り酒屋は、清水の湧き水を仕込み水として使っていたが、自社の敷地に井戸を掘り、その井戸水を使うようになってから、長い間清水の水は使われていなかった。それを今から17年前に久世社長が復活させたのだ。この湧き水は軟水のため、まろやかでふくらみのある女性に好まれる優しいお酒ができあがる。
長生舞の清水仕込みは年間5000本しか仕込めない限定品でもある。一方、自社の井戸水は硬水で、切れ味のいいドライな男っぽいお酒ができあがる。一つの蔵で硬水と軟水の両方を使って仕込んでいるというのも珍しいこと。
和倉温泉の旅館に同社の商品がお土産として置いてあることから、「酒蔵見学が出来ないか」との宿泊客の要望に応える形で、かなり前から酒蔵見学を受け入れている。
仕込みの期間はもちろん、そうでない時期も希望があれば酒蔵に入ってその空気を感じることができる。そんな時は、自家製の奈良漬けなどの漬物を提供し、試飲もできるようになっている。自家製の奈良漬けはもちろんのこと、粕風味の浅漬けを漬け込むための酒粕(塩粕)も一袋150円で購入できる。
最初の2−3回は短時間で美味しく漬かり、野菜の水分が粕に混じって薄くなったところへ塩を少し加えることでかなり長い間使えて重宝する。
平成19年の冬から、杜氏親子と社長親子の四人で新酒の仕込みを始めている。
「杜氏さんの指導の下、私たち親子も一緒に酒造りに取り組んでいます。
これまで手伝い程度はしたことはあったが、今年は最初からずっとかかわり、夜中の1時に起きて30分程作業し、一旦寝て5時半からまた作業をするという形で、頑張っています。
息子には営業をやらせていますが、夜から朝にかけては杜氏さんに怒られながら一つ一つ酒造りを覚えている段階で、一人前になるまでには何年もかかると思うが、9代目として頑張ってもらうために、長い目で育てていきたい。」と我が子を見守る父親の眼差しに。
創業220年の節目を記念し、平成18年に20年ものの大吟醸を四合瓶に詰め1本1万円で220本を限定販売したところ好評を博した。
当初、5年スパンぐらいで古酒の限定販売を計画していたが、たまたま今年が創業222年というゾロ目の年にあたることから、去る2月22日に222本限定で「超古大吟 長生舞 嘉左ェ門」(720ml)を1万円で販売したところ、これも瞬く間に完売となった。
平成19年、外国人バイヤー向け展示商談会に自社の酒を持参して参加したところ、「二世か三世と思われる日系人バイヤーが興味を持ってくれ、試飲用に長生舞の大吟醸と三年古酒を送ったところ、三年古酒の評判が良く、取引が始まる可能性が出てきた」と顔を綻ばす。
平成17年には自ら大連と北京に出かけ、メニューにどんなお酒が載っているのか、お酒の仕入れルートはどうなっているのか等を自分の目で調べて廻ったという。
222年もの長きにわたり連綿と受け継がれている暖簾の重みは、その立場にある人間にしか分からない重圧であり、我々には計り知れない。めまぐるしく変わる時代のニーズや環境の変化に右往左往することなく、創業以来、自社で原料となる酒米の田植えから収穫までを手がけ、水にもこだわり、食の安全・安心が叫ばれる時代にあって、これほど安心して飲むことができる日本酒は他にはないと言っても過言ではない。
「自分の代でやめたくないという思いは強い。継続していればきっといい時が巡ってくると信じ、これからも親子で頑張っていきたい。」と淡々と語る中にも、こだわりの酒造りへの自信が感じられる。
親子揃って蔵人になりきり、水・米・酵母と対話しながら、納得のいく酒造りに邁進してもらいたい。
■インタビューを終えて・・・
地元にある酒蔵の中に、222年も前から自社で酒米を栽培し、水にこだわった手造りの酒造りをしているところがあることを再認識させられた。酒蔵見学も事前に予約すれば誰でも見ることができ、自社の酒粕で漬けた美味しい奈良漬けやつけものを試食しながら試飲もさせてもらえる。その際、ハンドルキーパーの確保をお忘れ無く!!
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商 号 | (株)久世酒造店 |
| 所在地 | 河北郡津幡町清水イ122 | |
| 創 業 | 天明6年(1786年) | |
| 電話番号 | (076)289−2028 | |
| 営業時間 | 8:00〜20:00 | |
| 定休日 | 毎週日曜日 | |
| URL | http://www10.ocn.ne.jp/~kk.kuze/ |
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