■演奏会用のオーダードレスをWebで展開し、ニーズを発掘したい …
「ドレス美露土(ビロード)」
能美市にアトリエを構える美露土(ビロード)は、西村織物株式会社のドレス製作部門で、演奏発表会やコンクール用のドレス、ウェディングドレス等を受注製造販売しています。
自社で開発したドレス素材を用い、デザイン、パターン、縫製、装飾に至るまで一貫して行っているため、統一性があるので、肌触りが良く、軽くて、機能的な仕立てに定評があります。
着物からのリメイクドレスも、オーダーメイドしており、伝統工芸の加賀友禅を取り入れるなどして、注目を浴びています。
今回は、チーフデザイナーの湯谷知子さんにお話を伺いました。

|
 |
 |
ピンクリボン付のジュニアドレス
家庭で洗濯できる素材を使っているのでお手入れしやすいのも嬉しいです。 |
バイオリン、ピアノ、コーラス隊、ハープ、オーケストラの衣装も手掛けます。
|
演奏会ドレスのミニチュア版。加賀友禅染めで星座12体が揃っています。 |
■ネットショップをはじめたきっかけ
Q.ネットショップをはじめたきっかけは?
美露土は、西村織物株式会社のドレス製作部門として、平成8年、金沢市中心街にオーダードレスショップとして設立しました。
会社案内のホームページは5年程前から開設していましたが、顧客対象を全国にアピールできるネットショップに可能性を感じ、平成18年、業者さんに制作を依頼、本格的なホームページでネット通販に力を注ぐことに。同時期に、金沢市内の店舗を閉鎖し、アトリエを現在の能美市に移転しました。
そもそも、美露土がオーダードレスを手掛けるようになったきっかけは、あるオペラ歌手が、「演奏会に向いているステージ衣装がないのよ。」と嘆いていたことに始まります。
私が、服飾大学での研究を経て、東京の百貨店のブライダルサロンのデザイナーアシスタントをしていた時のこと。演奏会の華やかな舞台の裏では、既製ドレスに関して、想像以上に不快な思いをしている彼女たちを目の当たりにしていました。
その頃から、練習の成果が十分に発揮できる、演奏に適したドレスを作りたいと強く思うようになりました。
現在は、美露土にて、生地の選択から、デザイン、パターン、縫製、装飾に至るまで、一貫したドレス作りを手がけるようになり、体にフィットしたオーダードレスでお客様のニーズにお応えしています。
■演奏会に最も適したドレスは音大を目指す少女たちの強い味方
Q.美露土が演奏会ドレスにこだわる訳は?
「音楽発表会や、コンクールに向け、練習を重ねてきた成果を100%発揮したい・・・。」誰しもそう願うはず。
音大を目指すお嬢様とその親御さんにとって、ジュニアドレスは大変重要な要素です。なぜなら、衣装が成長期の体型に合っていなかったり、生地が擦れ合ってガサガサと余計な音がしたり、汗をかいたり、衣装が重くて、腕や足が思うように動かないなどしては困るからです。
演奏着は体の一部であって、楽器によって機能性が異なるということ。それを理解した上で生地選びから、デザイン、ステージ映えする色使いや質感、吸湿性、速乾性にも優れた
軽い素材を使うので、動きやすさと音に最も配慮したドレスを作ることができるのはオリジナルオーダーならこそと確信しています。
そのような衣装でステージに臨むことで、演奏に集中していただきたいと願っています。
お客様からは、着心地がよく、安心して演奏ができると喜ばれ、その後も依頼をいただくことが多いです。
これまでに、県外は、札幌、福岡、横浜、海外は中国からもご注文をいただきました。お客様から手紙やハガキで着用写真を送っていただくこともあり、いつもとても嬉しいです。
■最近の出来事と取り組み
Q.お客様のお手持ちの着物からドレスを作られるそうですが?
ご要望に応じて、着なくなった着物をドレスにリメイクしています。
着物自体は古いデザインであっても、部分的に用いた生地をアクセントに、和服の風格を生かしながら、斬新なドレスに生まれかわります。
中高年の方がお召しになると、年代に見合った品格の良さが、全体の雰囲気として表れるのです。
持ち運びが大変な着物ですが、リメイクドレスなら軽いし、フォーマルな席、パーティーの他、海外に出かける際でも場所を選ばず気軽に身につけていただけるのでおすすめします。
最近では、石川県の伝統産業である加賀友禅や、加賀刺繍をドレスに取り入れたり、九谷焼、山中塗りのボタンをドレスの装飾品にアレンジしたりするなど、地元の工芸作家と共同で、ドレスの商品化に取り組んでいます。
東京のアパレル業界の展示会「インターナショナルファッションフェア」(IFF)や三越本店での展示会に出展するなどして伝統工芸の素晴らしさをPRしています。
■これからの展望
Q.夢や、これから行っていきたいことは?
自分の体にあったドレスを必要としている人は多いはず。インターネットのホームページを通じて、音楽家たちに美露土のオーダードレスを知っていただき、演奏会シーンに新しいファッション感覚を、提案していきたいです。そして演奏会ドレスといったら美露土といわれるくらい、日本一の会社にしたいです。
直接お会いできない遠方のお客様でも、安心してご注文いただけるように、オーダーシステムの流れを分かりやすく改善し、今年の4月に向け、リニューアルオープンする予定ですので、楽しみにしていて下さいね。
----- ありがとうございました。
■インタビューを終えて・・・
着物のリメイクドレスを初めて見た時、本当に着物かしら?とあまりの斬新さに驚いてしまいました。湯谷さんはこれまで和装、洋装あわせて百着以上作られた実績があるそうで。湯谷さんの手にかかれば、着なくなってしまった着物でもこのようにして生き返るんだなと脱帽しました。
お客様の気持ちを一番に理解した上で、熟練された制作技術と、情熱をもってドレスづくりに励んでいらっしゃる姿は、ブログ「デザイナー日記」でも拝見できます。 (お店ばたけ事務局)