■素朴な味わいの作物、上質な手作りの作品
…加賀の食卓文化を全国に発信!
「加賀すたいる」
■きっかけ
ご夫婦で建築設計所「(有)パーソナルデザインワークス」を営まれている上前さんが、加賀の食と器を販売するWeb事業「加賀すたいる」を始められたきっかけは?
もともと器が好きだったのですが、平成14年から16年に加賀商工会議所が行った
「食と工芸プロジェクト」に参加したのがきっかけで工芸師、生産者の方々に出会いました。
プロジェクトでは、
九谷焼、山中漆器など地元作家の器を使うお店で地元食材の料理を供する「実験レストラン」を行ったところ、大勢の方にお集まりいただき、加賀にこんな食材があったのね!と地元の方にも興味を持っていただけました。
ちょうど、そのプロジェクトが終了した年、自分のWebサイトを制作したかった気持ちと相まって、やるなら加賀のものを販売するお店にしたいと思い、「加賀すたいる」を開店しました。
加賀すたいるでは、「加賀すたいる向上メンバー」として、プロジェクトで意気投合した
(株)丸八製茶場代表取締役の丸谷誠一郎さん、
陶芸作家の山本長左さんをはじめ、
情熱と質の良い情報を提供できる最強のメンバーにご協力いただいています。
■いちおし商品
加賀すたいるの商品は、加賀で生産された安心安全の食材や、上前さん自身が足を運んで探し、惚れ込んだものだけを 販売しておられますが、今一番おすすめの商品は?
加賀すたいるオリジナル「アイガモ玄米粥」は当店が自信を持っておすすめする一品です。
私はお粥が大好きなのですが、竹本さんたちのお米で作ったこのお粥は、無農薬で育てられていて、玄米で食べても安心です。
それから、加賀すたいるでは、単品だけでなく、店主が組んだセット商品を販売しています。それは単なる贈答セットではなく、加賀の上質な素材を集めた、食卓文化の提案です。
先程の無農薬玄米のお粥と、味にコクがあり、まったりとした口当たりが魅力の、山中温泉・小出仙さんの温泉卵。甘く味付けされていない、山中醤油の無添加丸大豆醤油を組み合わせた「アイガモ玄米粥セット」は好評で、本日もご注文をいただきました。
また、加賀の漆芸・陶芸作家が作る器と、食材のセット商品もあります。
■これからの展望
これから行っていきたいことは?
商品ラインナップをますます充実させていきたいです。
たとえば、無農薬栽培の野菜。
食と工芸プロジェクトの調査時からずっと調べているのですが、加賀では少量を生産する方のみで、販売できるほどの生産者が、まだ見つからないのです。
それから、山中温泉娘娘(にゃあにゃあ)まんじゅうと、大聖寺の大もなかを販売したいです。加賀のお菓子といえば、
れんの羊羹と
娘娘まんじゅうが有名です。
芳月堂の栗もなかは、知る人だけが知る隠れた逸品で是非皆さんにお知らせしたいお菓子です。
職人さんが手作りでつくるもので、大きくておいしいのです。
(
これらのお菓子は10月現在、販売を始めています)
■上前さんの活動
上前さんの好きな加賀は?
取材中に、加賀すたいるを表現できる、良い写真を撮りたいですねというお話になり、急遽、陶芸作家・山本長左さんの工房へ。山本長左さんは、「藍九谷」という、藍一色の繊細な絵付けが特徴的な作家さんで、天皇陛下即位の礼の儀式のもてなしに使われた和食器も手がけられた方ですが、我々の急なお願いにも、快く応じてくださいました。
工房では、沢山の研修生がロクロや絵付けをされていました。山本さんは、自分が指導を受けたように、若い方の指導を続けているのだそうです。
そんな工房の一角で、お二人の写真を撮らせていただきました。(山本さん、工房の皆さん、大変お邪魔をいたしました。
ありがとうございました。)
撮影の後、「長左さん、ぶどうのお皿をお借りしたいんですが」と上前さん。
「どうぞお持ちください」と言われて案内されたお部屋で、ずらり並んだ完成品の中から、これが良いわと、大きな器を選びます。
気さくなやりとりで借りられた器は、後日ぶどうが盛られて加賀すたいるブログ「暮らしを楽しむ 食と器の店主日記」に登場しました。その姿は、お皿単体=「作品」としてあったときとは違い、私たちの生活を豊かにする「器」として見えました。
「すぐ近くに工芸作家さんがいて…そんな加賀が好きです」
上前さんの好きな加賀は、美しい日常。加賀すたいるで、上質な生活を求める人とのたくさんの出会いが生まれることを願っています。
【レポート:お店ばたけ事務局】