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*お店ばたけ出店者交流会(第50回)* 石川県産業大学経営講座
H18バーチャルショップセミナー<第8回>
「過当競争化するEコマースの現状」
「地方のブランド化について」

<石川県産業大学経営講座> バーチャルショップセミナー(全8回)【第8回】
「過当競争化するEコマースの現状」
 
「地方のブランド化について」

講師の平山泰朗さん受講の様子
講 師:特定非営利活動法人全国イーコマース協議会 理事長 平山 泰朗 氏 
平成18年11月20日(月) 13:30〜16:30
石川県地場産業振興センター新館 第12研修室


内容:
 ネットショップは、誰でも参入できるビジネスとして、新規開店する店舗が、年々増加し、過当競争化が激しくなっている。
  その時代の中で、生き残るための必要な知恵である、販売促進・集客手段、マーケティング戦略、顧客に購買意欲を持っていただくヒューマンビリティなどについて、全国イーコマース協議会理事長の平山泰朗氏から伝授していただきました。
  また、地域ブランド化が全国的に広まっている中、ネットショップで他社に先駆けて挑戦した平山氏、と和座本舗代表の西田上氏の取り組み事例も発表していただきました。

概要 

 

■過当競争化するEコマースの現状

■地方ブランド化について

■ネットショップ進化論

※ご報告の内容は、セミナー内容の概要と受講メモを基に記載しております。 ご了承ください。

■過当競争化するEコマースの現状

1.国内シェアの動向

国内BtoC市場は、楽天市場、Yahoo!ショッピングの二大モールを中心に大手ショッピングサイト及び他のモールが大きくシェアを持っている。その隙間を埋めるように一部、独自サイト(自社サイト)がシェアを埋めているのが現況と思われる。

2.モールの台頭

オンラインショッピングでの商品情報の探し方

楽天市場、yahooショッピングなどのECサイトで探す・・・77.1%
検索エンジンで探す ・・・51.9%
価格比較サイトで探す ・・・48.5%
     (※インターネット白書2006より)

  昨年度と比べると、「検索エンジンで探すといったユーザー動向からモールなどで探す」の順位が 逆転している。モールがここまで台頭してきたことから、今後も市場のモールによる寡占化が進むものと思われる。またこの理由としては、主に、マルチメディアリテラシーが低かった商店主に対して、出店を行わせることに成功した楽天市場の存在が大きい。

3.ネットショップ店舗数の変遷

楽天市場登録店舗数とYahoo!JAPANショッピングカテゴリ登録サイト数

  1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
楽天店舗数
367
2,045
5,450
8,988
10,422
14,720
39,021
55,576
Yahoo!登録サイト
6,885
11,535
13,423
16,726
89,621
YAHOO!JAPANのカテゴリ登録数は、全てECサイトだけで占めているわけではない。また楽天市場の店舗も登録できるため、かなりの数が含まれている。また楽天市場の契約企業数も実際には、モール出店者のみではなく、宿泊業、サービス業も含まれている。ただし、この表から見てとれるように、楽天市場の占有率はかなり高い。2006年度、急激にYAHOO!JAPANの登録数が増えているのは検索エンジンロジックの転換にもよる。YAHOO!ショッピングの出店は、上記数字とは別カウントとなる。

4.なぜモールがこれほどまでに台頭したのか?

確立されたマーケティング手法

→プレゼント、オークション、共同購入などで段階を上げて購入に導くメール手法などに強い

モール内露出

→モール内検索エンジン、ランキング、カテゴリ、モール内広告

共同企画のやり易さ

→メールマーケティングを通じて、無料の共同露出の機会多数

情報流通の多さ

→上記の内容に関して店長相互の教育システムがあるため、成功するまでが早い。
→全国イーコマース協議会、Eコマース経営者戦略塾、頑張る店長など勉強会やメーリングリストで情報交換

ひと気の演出

→買わせる演出にうまい、ページの構成手法
→その例「お試しセット:中華料理世界チャンピオン皇朝

5.モールの問題点

従量課金

→売上毎の課金の厳しさ 利幅が圧縮される

顧客データ持ち出しの禁止

競争の激化

→モール利用のユーザーは低価格志向のため、同商品であれば、価格競争となる。

独自販促の禁止

→オーバーチュア、アドワーズ、アフィリエイトなどリスティング広告は禁止

一般検索エンジンで不利

独自システム開発、連動が難しい

→外部リンクの禁止、システムの改変が不可能

定期販売、分布会の禁止

→通販の王道のように、定期販売などで顧客を留まらせることが困難 モールの買い物かごを通さないと課金できないため

6.独自サイトの利点

顧客を永続的に囲い込める

→ダイレクトメールなども可能
→実店舗との連動も可能 バーゲン情報など

ターゲットが広い

→検索エンジンに反映されやすい、URLが自由

従量課金がない

定期販売(分布会)も可能

独自販促がやりやすい

→オーバーチュア、アドワーズ、アフィリエイト

システム、デザインの自由度が高い

→いろいろなシステム、仕組みと連動できる
→例えばブログ、SNS、WIKIなど新技術との連動

7.独自サイトの問題点

初期費用に投資が必要

・カート費用、システム費など
 *最近は、安価で利用しやすいカートなどが増えている

ノンブランド商品が売りづらい

→モール内広告が出せない
→メールマーケティング経由の集客が厳しい
→共同企画などがやりづらい

運営に技術及び知識が必要

→HTML、システムなどの技術が困難

情報の流通量が少ない

メールマーケティングのような共通した販促手段がないため、販売促進手法を共通化しづらい

8.モールと中小規模経営者の展望

モールの考え

モール側としては、今後も規模の強みを生かした拡大傾向を維持していくだろう。しかしながら、ある程度市場の成長にもかげるが出始めているので、会員ビジネスを前提として、新しい展開に進んでいくように思える。

経営者の考え

経営者側の立場に立つと、モールで売れるよりも自社サイトで売れた方が良いのは、議論の余地はない。しかし、モールで売れるノンブランド商品が、自社サイトで売れないことも事実であり、心中では独自サイトに力を入れたくても、売上が上がりやすいモールに力を入れる傾向にある。

経営的リスク分散

制約が多いモールに対して、参加中小企業側は、将来的な不安を潜在的にかかえているため、多モールや自社サイト出店で経営リスクの分散を図っていくため、ますます店舗の総母数は増える傾向に今後もあるだろう。

9.商材とネットショップの密接な関係T

現在、インターネットで開業するにあたり、最も重要な要素として、8割は商材にあると言われている。どのような商材が向いているかというと、インターネットの場合には、検索回数において、需要予測を立てることができ、検索エンジンを調査することで競合サイトを確認することもできる。キーワードアドバイスツールなどで需要、競合のバランスを見れば、自社が扱う商材が売れるかどうかが分かる。

モールとの非競合性

よく売れる商材は、モールの商品と競合しないものが望ましい。例えば、動物、武具刀剣、アダルト、BtoB商材(業務用)、サービスなどは、モールで販売禁止などの場合があるため、そのような抜け落ちた商材は、買う場所が限られているため、独自サイトでも売れやすい。

10.商材とネットショップの密接な関係U

需要大 競合小
売れる商材A
需要大 競合大
戦略が必要な商材B
需要小 競合小
◎ニッチ商材(隙間商材)C
需要小 競合大
売れない商材D
 

11.商材とネットショップの密接な関係V

買ったことのある独自サイトの種類(EC協議会会員アンケートより)
業務用 32%
ニッチ商材 19%
オンリー商材 15%
通常商品

15%

大手通販 15%
価格商品 4%
このデータより、業務用、ニッチ商材、またはモールにない商材が売れている。インターネットの検索は、価格訴求をおこしやすいためである。また大手はブランド力があるため売れている。

12.過当競争への懸念 今後のネットショップ展望

参入コストの低さ

→新規開業が安いので、競合が増えやすい

ショッピングカートの進歩

→安価なカートの登場

価格競争による利幅の減少

→数多くの店舗が出店することで、勝利者なき価格競争が起こる

モールの出店営業

→力を持ったモールがより出店攻勢をかけてくる

情報流通量の拡大

→各種勉強会、書籍、雑誌、インターネットでの情報の増加

ドロップショッピングなど新技術の開発

→商材卸元などの出現による新規参入が容易になる

13.小規模ネットショップが生き残るための戦略

一般社会がそうなったように、小さな商店街は、スーパーや大規模店に顧客を奪われてしまう。
つまり通常商品は、価格の選択や品揃えが豊富なモールや大手に流れる傾向にある。
今後、開業を考えるサイトは、専門店化やモールでは売っていないニッチな商材、卸取引、独自路線を貫く。モールでは出来ないこと、独自サイトだけのメリットなどを考える必要がある。
→ニッチな商材、業務用、オンリー商材、頒布会、高額なアフィリエイト報酬など

■地方ブランド化について

1.地方ブランド化の定義

「ブランド」=「銘柄。商標。独自性を強調し、競合他社と区別させることを意図して、複数の商品やサービスを統一して象徴させるもの」
「地方のブランド化」の定義をはっきりさせると、その地方、もしくは地方の商品が、地方と密接に絡みつき、それ自体が意味を持つもの。

2.地方のブランド化の意義

地方のブランド化を行う理由として、人は肯定されることに意義を感じるから。
具体的には、全国に地場のものが知られるようになる、マスメディアに露出して評価され、お金が儲かることになる。そして肯定されることは、自分の故郷を誇りに思え、とても楽しい。

3.意識の高さ

○都会人がイメージする田舎 (清潔感、地方色、雰囲気)
×田舎者の田舎

4.商材を選定する

お土産とブランド化する商材は違う!
お土産は、その土地に行った時しか買わないもの。
「○○に行ってきました。そのお土産です」という商材は通販では買わない
壱岐もの屋でも、ほぼお土産は販売しないし、売れない。売るのは、本当の意味がある特産品「天然鴨鍋」、「あら(くえ)鍋」など、独自開発し、都会の志向にあわせた商品を考える。都会の人に意見を聞くのも方法。

5.アピールの手段

現在、コストをかけずに継続的なPRを行うにはインターネットが最も有効である。
条件:利益が上げられる。
   通販として成り立つ商材
   話題性が高いもの

6.まとめ

地方の時代といわれて久しい昨今だが、地方の方はそう思っていないことが多い。
インターネットは情報の塊であり、目的を持って、その手段を活かすことが必要である。
手段が昔と比べて、いつでも手に入る昨今。なぜ、地方をブランド化する必要があるのか?なぜ、過疎化と戦うのか?その理由をあらためて考え直す必要がある。

●ネットショップ進化論

〜自己ブランディングで地方に眠るお宝を探し出そう〜

講 師:和座本舗 代表 西田 上 氏

九谷焼って売れてるの?

講師の西田上さん■和座が九谷焼販売にこだわる理由

・半径5km以内で全ての商品が手に入る環境
・競合店舗が居ない
・在庫リスクが限りなくゼロ
・売れない商品を売っている

■九谷焼ってブランド商品なのでしょうか?

・「九谷焼」ブランドという幻想
・ノンブランド商品ということを認識する必要性
・愛されることがブランド商品であるための最低条件

■ユーザーの固定観念こそブランディングの最大の敵

・ユーザーが思う九谷焼のイメージ ・・・高い、派手、古くさい、貰い物
・7割以上が九谷焼の産地を知らない現実

「九谷焼」という名前を店舗名から外し「和食器」とした

・九谷焼を探している人がいない
・和食器というカテゴリの中で勝負
・九谷焼イメージからの脱却

■和座のブランディング

・九谷焼専門店から和食器のセレクトショップへ
・ブランド力を伝える力は人のブランド力
・店舗イメージ+商品力+発信力=ブランド力

■店・人・商品をユーザーに伝える

手段
・メールマーケティング
・ブログ
・SNS
・広告
相手に伝え、伝わること
・お店のこだわり
・商品が持つ物語
・店主のうんちく

和座で成功したブランディング事例

・業務用食器というカテゴリー
・陶芸家をプロデュース
・ちび招き猫

地方ならではのブランディングが可能性を生む

・地方にあふれるノンブランド商品
・地方には都会にはない物語があふれている
 参考:石川県風土紀行ブログ

ブランディングとは

愛される商品のムーブメントを起こすこと
<ブランディングに必要なもの>
・商品力(スペックではなく携わる人、物語があること)
・師(店長ではなく、マスター(教える立場)であること)
・伝達力(文章力・クチコミ効果・広告)
・イメージ(店舗・サービス・パッケージ)

ブランド商品とは、愛されるこそブランドとして認められるノンブランド商品である。

受講の様子

〜セミナーを終えて〜

今回は41名の方にご参加いただきました。
これから自社サイトで売れる商材としては、モールとで販売していない独自のニッチ商材などに注目すると良いことがわかりました。
また、購入いただくために大切な、「店・人・商品」を上手くお客様に伝えること。
Web担当自らがブランディングを確立していくことで成功されたとても興味深いお話しをいただききました。
講師の平山さん、西田さん、どうもありがとうございました。